◆医療観察法案に批判意見相次ぐ

超党派議員らシンポ

 2002/06/21: 大阪読売朝刊2社面

 「精神保健福祉の充実を求める超党派議員と市民の会」が二十日結成され、衆院第二議員会館でシンポジウムを開いた。国会審議中の「心神喪失者医療観察法案」に懸念を抱く精神障害者団体の代表や弁護士、精神科医らが呼びかけた会で、自民、民主、共産、社民の国会議員十人と秘書、市民ら九十人が出席。政府の法案を「差別偏見を広げるものだ」と批判する意見が相次ぎ、自民の阪上善秀衆院議員(比例近畿)も「慎重審議をするようにしたい」と異例の発言をした。

 シンポでは精神障害者に対する社会の偏見の強さから退院先のアパート確保が難しい実態などが報告され、「事件を起こした精神障害者を隔離する対策ではなく、ひどく貧しい精神医療と福祉を抜本的に改革することが必要だ」「当事者も納得する法案に練りすべきだ」などの意見が出された。

 今月五日にも準備会の形でシンポを開いており、本人または秘書が出席した国会議員は今回と合わせ、四十数人。政府案に批判的なトーンの会合ながら、自民からも五人が顔を出した。